Thursday, June 14, 2018 10:49 AM

栄氏「深くおわびしたい」 パワハラ謝罪し現場復帰

 日本レスリング協会の前強化本部長で伊調馨選手(ALSOK)らに対するパワーハラスメント行為が認定された栄和人氏が14日、東京都世田谷区の駒沢体育館で記者会見し「伊調選手、田南部(力)コーチに深くおわびしたい。今後二度と起こさないように、常に他人に敬意を持って接したい」と神妙な面持ちで謝罪して頭を下げ、伊調選手に面会して直接謝る意向も示した。栄氏は至学館大監督として同日開幕の全日本選抜選手権で現場復帰した。

 栄氏は日本協会が第三者委員会の報告書に基づき、4月6日の緊急理事会でパワハラ行為を認定後、公の場で話すのは初めて。第三者委員会や内閣府が指摘したパワハラについて「真摯に受け止める」とした上で「どういったことを言ったか覚えていないが、コミュニケーション不足によりこういう事態になった」と釈明し、今後に向け「指導者として日々精進したい。しっかり勉強しなければ」と話し、協会が設ける研修プログラムを受講すると説明した。

 日本協会の常務理事解任が決まっている栄氏は同選手権でひな壇に設けられた役員席に座らず、スタンドで見守った。至学館大勢は女子55キロ級で向田真優選手、72キロ級で松雪成葉選手が勝って世界選手権代表入りを果たしたが、直接指導する場面はなかった。一方でかつて伊調選手を指導した田南部氏は「協会は(テレビ)カメラの前では謝罪したいと言うが、僕らの方には(接触は)一切ない。ただのパフォーマンスだと思っている」と不信感をあらわにした。(共同)