Thursday, June 14, 2018 10:50 AM

金氏「首相と会う可能性」 トランプ大統領に言及

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米朝首脳会談で「安倍晋三首相と会う可能性がある。オープンだ」とトランプ大統領に述べ、日朝首脳会談の実現を排除しない考えを示していたことが分かった。日本政府は、ロシアが9月に極東ウラジオストクで開く国際会合に北朝鮮の金氏を招待しているのに合わせ、日朝首脳会談の実現を目指し、調整に入る方針を固めた。複数の日本政府関係者が14日、明らかにした。政府は日本人拉致問題の進展へ北朝鮮当局との交渉を本格化させる。

 首相は14日午後、拉致被害者家族と官邸で面会。被害者帰国の実現に向けた政府方針を説明する。関係者によると、トランプ氏は金氏に対し、核・ミサイル問題だけでなく、拉致問題を含めて包括的に解決しない限り、日本は経済支援はしないとの首相の立場を説明。拉致問題への取り組みを金氏に促した。金氏からは否定的な反応はなかった。西村康稔官房副長官は13日、米朝会談の内容について「(北朝鮮が日本との交渉を)拒否することはないだろうと受け止めた」と東京都内で記者団に語った。

 トランプ氏は米朝会談後の記者会見で、金氏に提起したと明らかにした上で「(北朝鮮が今後)取り組む」と述べた。首相は12日夜、トランプ氏との電話会談で米朝会談の内容について説明を受けた後、記者団に「トランプ氏の強力な支援を得て日本が直接北朝鮮と向き合い解決する決意だ」と表明した。(共同)