Friday, June 22, 2018 11:20 AM

最後の協調派、孤立深める 同盟国重視の米国防長官

 イラン核合意からの離脱表明や在韓米軍の撤収示唆ー。トランプ大統領が同盟国の意向を無視し「米国第一」色を鮮明にする中、政権随一の国際協調派とされるマティス国防長官の孤立が際立ってきた。同盟国の不安払拭に奔走するが、衝動的な言動を続ける大統領への影響力には限界があるようだ。

 8月に予定された米韓合同軍事演習の中止を発表した6月18日の米国防総省の報道官声明は「米大統領の決定に沿って『防衛的』な戦争ゲームの計画を取りやめる」と記載。12日の米朝首脳会談後の記者会見で、同盟の作戦能力維持に必要な軍事演習を「挑発的」な戦争ゲームと呼び、突如中止を発表したトランプ氏への抗議とも言える異例の内容だった。

 「巨額の金がかかる」という理由で将来の在韓米軍撤収の可能性にまで踏み込んだトランプ氏の発言に関してマティス氏は沈黙を守ってきたが、内心の不満は明らかだ。(共同)