Friday, June 22, 2018 11:21 AM

難民巡りEUに亀裂 あす緊急首脳会議

 移民・難民への対応を巡り、欧州連合(EU)内の亀裂が深刻となっている。負担軽減を求める「欧州の入り口」イタリアと、受け入れ分担を拒む東欧諸国まで、加盟国の立場の隔たりは大きい。28、29両日のEU首脳会議で結束を図るため、関係国は24日に緊急首脳会議をブリュッセルで開くが、歩み寄りは容易ではない。

 24日の首脳会議は独仏やEU議長国ブルガリア、7月からの議長国オーストリアなど約10カ国が参加。ドイツでは難民らの入国拒否を求めるゼーホーファー内相と難民に寛容な姿勢を示してきたメルケル首相が対立を深めており、メルケル氏は二つの首脳会議を通じ、審査中の難民らを自由に域内を移動させないなど実効性のある方策を採択したい考えだ。

 「年60億ユーロ(約7700億円)も払ってひどい目に遭わされるとは」。難民らに厳しい態度を取るイタリアのサルビーニ副首相は21日、自国メディアに打ち明けた。難民らの審査を域内で最初に到着した国で行うと定めたEU規則の見直しや、受け入れを各国で分担する制度を前進させなければ、EU分担金を見直す考えを示唆した。(共同)