Friday, June 22, 2018 11:23 AM

北朝鮮へ専門家派遣の用意 非核化で政府、米に伝達

 政府が北朝鮮の非核化に向け、日本の核専門家を北朝鮮に派遣する用意があると米国に伝達していたことが22日、分かった。廃炉作業中の日本原子力発電東海原発(茨城県)で得た知見を活用。今後の米朝協議が北朝鮮・寧辺にある黒鉛減速炉(5千キロワット)の解体で合意した場合、側面支援したい考えだ。複数の日本政府関係者が明らかにした。非核化プロセスに積極貢献の姿勢を示して進展を促すとともに、北朝鮮問題での孤立を回避する狙いがある。

 政府は、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を確実に達成するには、日本が日米連携に基づき関与を強める必要があると判断している。ただ米朝協議で北朝鮮が黒鉛炉の解体に応じても、実際の要員派遣には日本国内での調整や、北朝鮮の同意が必要になる。

 日本政府関係者によると、12日のシンガポールでの米朝首脳会談を受け、日米両政府が東京都内で高官協議を開催。日本側は、国際原子力機関(IAEA)が北朝鮮に査察に入る場合の初期費用の負担に加え、非核化作業自体にも積極的に協力する考えを説明した。(共同)