Tuesday, June 26, 2018 11:18 AM

スルガ銀、空欄伝票指示か 物件所有者から白紙委任

 スルガ銀行の行員がシェアハウスの物件所有者に対して、現金引き出しの日付や金額を空欄にした申請伝票を作るよう指示し、物件の土地売買に利用していた疑いがあることが26日、分かった。所有者へのずさんな融資問題を巡り、銀行実務の原則から逸脱して、出金手続きを行員に任せる「白紙委任」を求めるような行為があった。所有者側は28日のスルガ銀の株主総会で企業統治の在り方を批判する構えで、紛糾は必至だ。

 シェアハウス「かぼちゃの馬車」の物件を購入するため横浜東口支店で融資を受けた複数の所有者が証言した。不審に思いつつも指示に従い、署名と押印だけをした伝票を3、4枚作って行員に預けたという。行員からは、伝票が必要な理由を「処理ミスがあった際の予備」と説明され、伝票の一部はその後「余った」として返された。

 所有者側は、弁護団の団長を務める河合弘之弁護士ら約30人が株主になっており、静岡県沼津市で開かれる総会に出席する。伝票の問題は内部管理体制の欠如を示す一端とみており、岡野光喜会長らの経営責任を追及する。岡野氏がずさん融資問題に言及すれば、騒動発覚後初とみられる。(共同)