Wednesday, June 27, 2018 10:39 AM

核物質保有「信用損ねる」 米元高官ら与野党に提言

 オバマ政権で核不拡散担当の国務次官補だったトーマス・カントリーマン氏らが27日、国会を訪れ、日本の核燃料サイクル政策の現状を巡り与野党議員と意見交換した。同氏は「日本が47トンものプルトニウムを保有していることを強く懸念する。国際的な信用を損なっている」と訴え、政策の見直しを求めた。

 カントリーマン氏は、日本が使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す再処理政策を続けることは、核拡散のリスクや地域の緊張を高め、経済的なメリットもないと指摘。朝鮮半島の非核化を巡る交渉が続く中、日本が再処理に固執するのは問題だとし「核燃サイクル政策をゼロベースで見直し再処理を継続すべきか検証するよう、今こそ国会が政府に指示すべきだ」と呼び掛けた。

 日本に再処理を認めた日米原子力協定は7月に30年の期限を迎え、その後は自動延長となり、日米いずれかの提案があれば停止可能となる。日本はプルトニウムを国内外に約47トン保有し、2021年度の完成を目指す日本原燃の使用済み核燃料再処理工場が稼働すると、さらに保有量が膨らむ可能性があるため、米国側が懸念を強めている。(共同)