Thursday, July 05, 2018 11:04 AM

貿易赤字解消が米政権課題 7956億ドル、雇用奪うと批判

 米国は底堅い経済成長に支えられて輸入が増加し、モノの貿易赤字が2017年に前年比約8%増の7956億ドル(約88兆円)に達した。世界的な金融危機リーマン・ショックが起きた08年以来、9年ぶりの高水準となった。トランプ大統領は巨額の貿易赤字を国内製造業の衰退の象徴と捉え、赤字解消を政権の重要課題に据えている。

 米商務省によると、中国に対するモノの貿易赤字は3755億ドルと過去最大。国別で最も多く、貿易赤字全体の約半分に相当する。中国から輸入するのは生産設備などの資本財や日用品が多い。トランプ政権は中国が「米国の製造業を破壊し、雇用を奪っている」と批判。一方、サービス分野の貿易では米国が中国に対し、約400億ドルの黒字を計上している。

 米国の日本に対するモノの貿易赤字は688億ドルで、中国、メキシコに次ぐ3位。日本と同様に自動車を基幹産業とするドイツは4位で、636億ドルの米国の赤字となっている。(共同)