Monday, July 09, 2018 11:22 AM

12府県で死者126人 86人安否不明、捜索続く

 活発な梅雨前線による西日本豪雨は9日までに各地で被害が拡大し、死者は12府県計126人に上った。安否不明者は岡山県倉敷市や広島市で大幅に増え、6府県86人になった。中国・四国地方を中心とした被災地では厳しい暑さの中、救助や捜索が続いた。気象庁は大雨特別警報を全て解除したが、引き続き土砂災害や河川氾濫への警戒を呼び掛けた。総務省消防庁によると、9日午後5時半時点で15府県の避難所に計約1万1千人が身を寄せた。

 死者・行方不明者299人を出した1982年の長崎大水害に次ぐ被害で、平成で最悪となった。政府は8日、非常災害対策本部を設置。安倍晋三首相は9日午前の会合で「(警察や自衛隊などの)実動部隊を7万3000人に増強し、全力で救命救助に当たっている」と述べた。

 安否不明者の大半は広島県と岡山県に集中している。倉敷市真備町地区では川の堤防が決壊し、地区の約3割が浸水。建物の屋上などに1000人以上が一時取り残された。国土交通省はポンプ車で同地区での排水を進めた。市によると、浸水家屋は推計約4600戸、地区一帯からの避難者は3000〜5000人とみられる。患者や職員らが孤立していた「まび記念病院」では9日未明、全員の救出を確認した。(共同)