Tuesday, July 10, 2018 10:53 AM

中国、日本人に実刑判決 スパイ罪で初、懲役12年

 中国で2015年に逮捕された愛知県の男性(54)に、中国の裁判所が10日、スパイ罪などで懲役12年の実刑判決を言い渡したことが分かった。日中関係筋が明らかにした。中国で日本人がスパイ罪で有罪判決を受けたのは初めて。

 習近平指導部は中国国内で活動している海外の組織や個人への監視を強化しており、厳しい姿勢を示した形だ。菅義偉官房長官は10日の記者会見で、日本政府による中国でのスパイ行為を否定した。改善に向かっている日中関係に悪影響を及ぼす可能性もある。

 中国浙江省の中級人民法院(地裁)が、スパイ罪を含む複数の罪で刑を言い渡した。日本政府関係者によると、判決は男性を「公安調査庁のスパイ」と認定しているという。男性は15年5月に浙江省温州の軍事施設周辺で拘束された。現場は、沖縄県・尖閣諸島を巡る日中対立を受けて中国が軍事拠点整備を進めた南〓(鹿の下に机のツクリ)列島と同じ県で、中国側が過剰に神経をとがらせている可能性がある。(共同)