Tuesday, July 10, 2018 10:56 AM

従業員「行き先知らず」 集団亡命で国連担当者

 北朝鮮の人権問題を担当する国連のキンタナ特別報告者が10日、訪問中のソウルで記者会見した。キンタナ氏は、2016年に中国の北朝鮮レストランから韓国に集団亡命したとされる男性支配人1人と女性従業員12人の一部と面会したとした上で「従業員の中にはどこに行くか知らないまま韓国に来た人がいた」と明らかにした。

 今年5月、男性支配人が韓国の情報機関、国家情報院から脅迫され「従業員を脅して亡命させた」と韓国メディアに証言。韓国政府はこれまで「従業員らが自由意思で来た」と主張してきたが、キンタナ氏の発言により報道の正確性が裏付けられた形となり、より難しい対応を迫られそうだ。

 この問題を巡り、北朝鮮は「(韓国側に)拉致された」として送還を要求してきた。キンタナ氏は韓国政府に徹底した真相究明を求めるとともに、もし従業員が北朝鮮への送還を望んだ場合は「当事者の意思を尊重すべきだ」と述べた。(共同)