Wednesday, July 11, 2018 11:23 AM

ショー終わり、非核化停滞 米手玉に取る北朝鮮

 北朝鮮の核放棄に向けた米朝交渉は、非核化措置以外の面で譲歩を小出しにする北朝鮮が、11月の中間選挙を前に成果を出したい米政権を手玉に取る構図が強まっている。史上初の米朝首脳会談から12日で1カ月。トランプ大統領が融和を演出した「政治ショー」の熱気が収まり、見えてきたのは肝心の核交渉に入れない厳しい現実だ。

 トランプ氏は米韓合同軍事演習を中止し、金正恩朝鮮労働党委員長を「信用している」「相性がいい」などと再三持ち上げた。首脳間の共同声明は具体策を欠いたが、「核の脅威はなくなった」と豪語した。この発言が「核放棄を慌てる必要はないとのメッセージを送ってしまった」と、拙速を批判する声もある。

 北朝鮮側は朝鮮戦争で戦死するなどした米兵の遺骨返還に協力の意思を示した程度で、非核化の具体的行動は取っていない。米国で懐疑論が高まる中、しびれを切らしたかのように7月6〜7日に訪朝したポンペオ国務長官には事実上のゼロ回答を突きつけた。(共同)