Monday, July 23, 2018 10:47 AM

息子引き渡し判決確定 ハーグ条約、母親上告断念

 米国に住む父親が次男を連れて日本に帰国した母親に対し、次男の引き渡しを求めた人身保護請求の差し戻し審で、引き渡しを認めた名古屋高裁の判決について母親側が上告せず、確定したことが23日、高裁への取材で分かった。

 国境を越えて連れ去られた子どもの取り扱いを定めた「ハーグ条約」に基づく返還命令を拒否したのは不当として、父親側が人身保護請求を申し立て、最高裁が今年3月、父親敗訴の一審名古屋高裁金沢支部判決を破棄、名古屋高裁に審理を差し戻していた。

 名古屋高裁は今月17日の判決で「次男は日本に残りたいと主張しているが、母親に大きく依存して生活しており、母親が不当な心理的影響を及ぼしている」と指摘。「母親による拘束には顕著な違法性がある」とした。(共同)