Friday, July 27, 2018 11:15 AM

沖縄知事、辺野古撤回表明 工事中断で土砂投入遅れも

 沖縄県の翁長雄志知事は27日、県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に向け、手続きを始めると表明した。「あらゆる方法を駆使し、新基地は造らせないとの公約実現に向け、全力で取り組む」と改めて強調した。防衛省沖縄防衛局は、直ちに処分取り消しの行政訴訟や、執行停止の申し立てといった法的措置で対抗する構え。撤回は阻止に向けた最後の手段とされ、移設問題は最終局面に入った。

 翁長氏にとっては11月の知事選を前に撤回方針を打ち出すことで、県民世論を喚起する狙いもあるとみられる。撤回により国の工事は一時中断し、早ければ8月17日にも予定される辺野古沖での土砂投入が遅れる可能性がある。国の対抗措置で主張が認められれば、工事は再開される。

 翁長氏は、理由について環境保全対策を示さずに工事に着手するなど、承認の条件となる事業者の義務に違反しているとした。さらに、朝鮮半島の非核化と緊張緩和への努力が続けられていると指摘した上で「20年以上も前に決定された新基地建設を見直すこともなく、強引に推し進めようとしている」と政府を批判した。(共同)