Monday, July 30, 2018 10:43 AM

諫早開門命令「無効」 司法判断ねじれ解消

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り2010年の確定判決に基づく開門命令の効力が争われた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は30日、国側の請求を認め、命令を無効とする判断をした。巨大公共事業を象徴する堤防排水門について異なる司法判断が並立するねじれ状態が解消され、長年の法廷闘争は「閉門維持」で終結に向かう可能性が高まった。

 確定判決に反して開門を拒み続けた国の姿勢を事実上追認する判決。国は基金による解決を目指すが、漁業者側は最高裁へ上告して争う。

 西井和徒裁判長は「漁業者の共同漁業権は13年に消滅し、開門を求める権利も失われた」として国側敗訴の一審佐賀地裁判決を取り消した。(共同)