Tuesday, July 31, 2018 11:03 AM

パキスタン政権交代へ 元クリケット選手が首相に

 パキスタン下院(定数342、任期5年)選挙で第1党となったパキスタン正義運動(PTI)は30日、無所属議員取り込みや少数政党との連立に合意し、下院で過半数を確保したと発表した。野党第2党だったPTIによる政権交代が確実になった。近く開かれる下院議会で、クリケットの元スター選手イムラン・カーン党首(65)が首相に指名される見通しだ。

 パキスタンは中国の投融資頼りで膨らみ続ける貿易赤字を抱え、経済事情は苦しい。経済回復のためにも関わりの深い米国やインドとの関係改善は急務だが、国内で力の強い軍は対外強硬姿勢。外交と軍統制のバランスが課題になる。

 カーン氏は1992年のクリケット・ワールドカップで、パキスタン主将として悲願の初優勝を果たした国民的英雄。選挙では「反汚職」と「変革」を柱に、パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派=PML(N)=とパキスタン人民党(PPP)の二大政党が軍事政権の時期を除き、交代で長期間権力を握ってきた状況の打破を訴え、国民の支持を得た。(共同)