Tuesday, August 07, 2018 10:46 AM

元役員がずさん融資主導 スルガ銀、統治不全に

 シェアハウス投資を巡るスルガ銀行のずさん融資問題で、外部弁護士の第三者委員会が月内にまとめる調査報告書の概要が7日、分かった。元専務執行役員が過去最高益の更新に固執し、営業部門責任者として融資拡大を主導。取締役会は審査書類改ざんなど不適切な融資の横行を防げず、企業統治は機能不全に陥っていた。第三者委は元専務執行役員側に責任を押しつける動きがないかさらに詰め、法的問題を含め経営責任を追及する。

 スルガ銀に加え、東日本銀行でも不適切な営業が発覚したのを受け、金融庁が全国の地方銀行に対し、行内の不正行為をチェックする「内部監査」機能に焦点を当てた立ち入り検査を始めたことも7日、判明した。経営陣に問題点を指摘できる体制が整備されているかどうかや、社外取締役との情報共有などが適切に行われているか調べる。

 金融庁は第三者委の動きをにらみ、スルガ銀に対して業務改善命令を出す検討を本格化。厳しい処分は避けられない見通しで、30年以上トップに君臨してきた岡野光喜会長の進退に発展するのは必至だ。(共同)