Tuesday, August 07, 2018 10:48 AM

12年前入試から女性差別 東京医大、前理事長主導

 東京医科大の不正入試問題で、弁護士3人で構成された内部調査委員会(中井憲治委員長)が7日、東京都内で記者会見し、大学側への調査報告書を公表した。医学部医学科の2次試験の小論文で、少なくとも2006年の入試から女子や3浪以上の男子の合格者数を抑える得点操作を繰り返していたことが分かり「女性差別以外の何物でもない」と強く批判。浪人生の男子への措置も「受験生への背信行為」と断じた。

 今年と昨年の1次試験で受験生19人に点数を加え、合格者を不正に調整したことも認定。主導した前理事長臼井正彦被告(77)=贈賄罪で在宅起訴=と前学長鈴木衛被告(69)=同=の規範意識が鈍麻し「同窓生の子弟を入学させ、寄付金を多く集めたい思いがあった」との動機を挙げた。2人が受験生の親から謝礼をもらうこともあったようだと付記した。

 医科大も報告書を受けて記者会見し、得点操作を「根絶する」と明言し謝罪した。宮沢啓介学長職務代理は個人的見解として、操作で不合格になった受験生を特定できれば追加合格を認める可能性があるとし、国と協議する意向を明らかにした。林芳正文部科学相は、全国の国公私立大の医学部医学科を対象に入試の公正性について緊急調査する考えを示した。(共同)