Tuesday, August 07, 2018 10:50 AM

サウジから原油を代替調達 ガソリン価格上昇の恐れも

 米国は対イラン制裁の一部を再発動し、併せてイラン産原油の輸入停止を各国に求めている。日本の原油輸入に占めるイラン産の割合は約5%。石油元売り大手はサウジアラビアなど供給余力のある国から代替調達する方針で、安定供給に問題がないとみている。ただ代替調達によって原油調達の費用が上昇し、ガソリンなど石油製品が値上がりする可能性がある。

 レギュラーガソリンの全国平均小売価格は1リットル当たり150円を超えており、さらに上昇すれば個人消費や企業活動に冷や水を浴びせそうだ。石油元売り関係者は「イラン産原油は質が安定して扱いやすく、価格も競争力がある」と話す。経済産業省の関係者は「製油所のいくつかはイラン産原油を効率的に処理できるよう造られている」と指摘する。

 イランは世界有数の産油国で、世界市場への原油供給が細ると、原油高騰に拍車を掛ける可能性がある。原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の閉鎖に踏み切れば、サウジ産原油の輸入に支障を来す恐れがある。(共同)