Thursday, August 09, 2018 9:39 AM

「ギャラクシーS7」に弱点〜ハッキングの恐れと研究者ら

 サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS7」のマイクロチップにセキュリティー欠陥が見つかり、数千万台がハッキング被害のリスクにさらされているとオーストリアの大学研究班が警告している。

 ロイター通信によると、2018年初め、現在コンピューターで使われているほとんどの中央演算処理装置(CPU)に「メルトダウン」と呼ばれるセキュリティー上の弱点があることが公表されたが、ギャラクシーS7を含むサムスン製のスマートフォンは影響を受けないと考えられていた。ところがオーストリアのグラーツ工科大学の研究者らはロイターに対し、メルトダウンの方法でギャラクシーS7を攻撃する方法を考案したと語った。

 サムスンはこれまで、1月にギャラクシーS7をメルトダウン攻撃から保護するためのセキュリティパッチを公開し、7月にはソフトウェア・アップデートを行っている。同社は「サムスンはセキュリティーを非常に真剣に考えており、製品やサービスはセキュリティーを第一に設計されている」との声明を出したが、広報担当者はギャラクシーS7の販売台数を明らかにしなかった。

 グラーツの研究班は9日、ラスベガスで開かれるセキュリティ関連の国際会合「ブラック・ハット」で今回の発見を発表する予定。研究者の1人、マイケル・シュワルツ氏は「メルトダウン攻撃の影響を受ける電話機は数百万台に上る可能性があり、メーカー自身が知らないため対策が取られていない恐れがある」と話した。

 市場調査ストラテジー・アナリティクスによると、世界で約3000万人がギャラクシーS7を使っている。サムスンは16年にS7を発売して以来、ギャラクシーシリーズでは2つの新バージョンを発表している。

 サムスン広報によると、ギャラクシーS7がメルトダウン攻撃を受けたという報告はなく、ほかの同社製携帯電話に弱点があることも明らかになっていない。