Thursday, August 09, 2018 10:26 AM

平和宣言、核なき安保促す 政府は禁止条約賛同を

 長崎は9日、被爆から73年を迎え、長崎市松山町の平和公園で平成最後の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典が営まれた。原爆投下時刻の午前11時2分、参列者が黙とう。田上富久市長は平和宣言で、核兵器保有国と同盟・友好国に「核に頼らぬ安全保障政策に転換を」と促した。政府にも核兵器禁止条約に賛同し、唯一の戦争被爆国として、世界を導く道義的責任を果たすよう求めた。

 昨年は条約不参加を「とうてい理解できない」と直言したが、厳しい安保環境を理由に政府は拒否の姿勢を堅持。いら立ちは募るが、今年は対峙ではなく核廃絶への具体的工程を共に模索するスタンスを取った。

 安倍晋三首相はあいさつで、6日の広島原爆の日と同様、保有国と非保有国の橋渡しが必要だと強調。その後の記者会見で、核禁止条約は「安全保障の現実を踏まえていない」と批判し、不参加の考えを改めて示した。(共同)