Thursday, August 09, 2018 10:26 AM

沖縄県、承認撤回を維持 早期の土砂投入困難に

 沖縄県は9日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先である名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に向け、工事主体の防衛省沖縄防衛局から弁明を聞くための聴聞を実施した。聴聞はこの日で終了、県は8日に死去した翁長雄志知事が表明した撤回の方針を変えておらず、近く職務代理の副知事が撤回を最終判断する見込みだ。沖縄防衛局は早ければ17日にも土砂を投入する計画だったが、困難になるとみられる。国は法的措置も辞さない構えだ。

 翁長氏の死去で9月にも前倒しで実施される知事選では、辺野古移設の是非が最大の争点になる。今月11日には沖縄をはじめ北海道や静岡、愛知など各地で辺野古移設への抗議集会が開催される予定で、翁長氏が参加予定だった那覇市の「県民大会」では、生前に用意していたメッセージを謝花喜一郎副知事が代読する。国と反対派の対立が先鋭化する中、与野党は選挙に向けた調整を急ぐ。

 この日の聴聞は冒頭を除き非公開で約2時間半続いた。県は通知で防衛局の環境保全対策が不十分で承認の条件だった留意事項に違反して工事を強行していると指摘していたが、中嶋浩一郎沖縄防衛局長は聴聞後、記者団に「撤回の原因と指摘された事実には具体性に欠ける点が多い」と述べ、再び反論の機会を設けるよう求めたことを明らかにした。(共同)