Thursday, August 16, 2018 11:05 AM

2被告の審理続行決定 金正男氏殺害事件

 北朝鮮の金正男氏が昨年、マレーシアの空港で猛毒の神経剤を顔に塗られ殺害された事件で、実行犯として殺人罪に問われた女2被告の公判が16日、クアラルンプール近郊の高裁で開かれた。裁判官は2被告に殺意があったと推定されるとした上で、審理の続行を決定。弁護側に被告人質問や証人尋問を行うよう求めた。2被告が無罪を訴える見通し。

 事件は北朝鮮の国家的関与が疑われている。裁判官は逃走中の北朝鮮国籍の男4人が「綿密に計画」した暗殺事件の可能性は排除できないと指摘。一方で「(正男氏の)顔に塗ったのが毒物とは知らなかった」との2被告の主張について、空港で正男氏と接触後「急いでトイレに駆け込んだのは、毒物を手から洗い流すためだった」とし、2被告に「殺意があったと推定される」とした。

 弁護側は閉廷後、記者団に「(被告本人の)言い分を聞いてもらい、無罪を証明する」と話した。マレーシアでは殺人罪で有罪となれば死刑が適用される。高裁は弁護側の尋問のため、11月1日から来年2月19日までの計19日の公判期日を設定した。(共同)