Friday, August 17, 2018 10:23 AM

朝鮮有事に軍事介入も 中国、正恩氏保護は不透明

 米国防総省は16日発表の中国の軍事動向に関する年次報告書で、朝鮮半島有事の際には影響力確保のために中国が軍事介入する可能性があるとの見方を示した。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を守る意思があるかどうかは不透明としている。

 報告書は朝鮮半島で軍事衝突や危機が起こった場合、「中国指導部はさまざまな作戦行動を中国人民解放軍に命じる可能性がある」と指摘。難民流入を防ぐための中朝国境の封鎖から、1961年に締結した中朝友好協力相互援助条約に基づく本格的な軍事介入まで多様な選択肢が用意されているとした。

 米朝間の緊張が激化した昨年、中国と北朝鮮の関係は数十年来で「最低レベル」に陥ったとも指摘した。弾道ミサイル発射など北朝鮮の相次ぐ軍事挑発を受け、中国は米国と同盟国が朝鮮半島で軍備増強を進めることを懸念。情勢安定化に向けた「対話と圧力」を主張し国際的な対北朝鮮制裁には協力したが、北朝鮮の不安定化につながる石油禁輸には応じなかったと言及した。(共同)