Monday, August 27, 2018 10:38 AM

全斗煥元大統領、出廷せず 韓国、名誉毀損事件初公判

 1980年に韓国・光州で起きた民主化運動弾圧の際、軍のヘリコプターが市民に機銃掃射したとの故人の目撃談を回顧録で否定、うそつき呼ばわりしたとして死者名誉毀損罪に問われた全斗煥元大統領(87)の初公判が27日、光州地裁であった。全被告はアルツハイマー病を理由に出廷しなかった。聯合ニュースが報じた。

 全被告の妻は公判に先立ち声明を出し、被告の認知能力が衰え「裁判の状況に関する説明を聞いても、しばらくすると聞いたこと自体を忘れてしまう状況」と説明。「この国の大統領だった人が公開の場所に呼び出され、かみ合わない話をする姿を国民も見たくないだろう」と主張した。

 地裁によると、この日の公判では被告不在で人定確認や起訴事実の認否ができず、次回期日の10月1日には出席するよう被告側に要請した。アルツハイマー病を患っているのに、回顧録を昨年出版できたのは矛盾しないかと判事が問いただす場面もあった。弁護側は、回顧録はかなり前から準備していたと説明した。(共同)