Wednesday, August 29, 2018 12:25 PM

コーチ処分、協会に不信感 宮川選手「納得できない」

 体操の世界選手権(10〜11月・ドーハ)女子代表候補の宮川紗江選手(18)は29日、東京都内で記者会見し、練習中に速見佑斗コーチ(34)から暴力を伴う指導を受けたことを認めた上で、速見コーチへの無期限登録抹消の処分について「私は訴えていないし、処分の重さは納得できない」と軽減を求めた。日本体操協会の幹部からパワハラを受けていたとも主張し、協会の対応に強い不信感を示した。

 2020年東京五輪に向けては引き続き速見コーチの指導を受けたいと訴え、現在の状況は練習に集中できないとして世界選手権の代表候補を辞退する意向も示した。一方、日本協会は山本宜史専務理事が29日夜に記者会見し「被害者本人が我慢できても、決して許されることはない」と暴力指導に対する協会の立場を説明した。

 16年リオデジャネイロ五輪代表の宮川選手は、東京五輪強化プロジェクトに当初参加しなかったことで、16年末に日本協会の塚原千恵子女子強化本部長らから「五輪に出られなくなる」などと圧力を受け「感じたことのない恐怖を感じた」と明かした。さらに「暴力の件を使って私とコーチを引き離そうとしているんじゃないかと考えている」と、協会に不信を募らせた。暴力問題の聞き取りの際にも高圧的な態度を取られたとし、協会の強化体制の刷新が必要と訴えた。(共同)