Thursday, August 30, 2018 11:07 AM

児童虐待13万件、過去最多 面前DV、警察が通告徹底

 全国に210カ所ある児童相談所が2017年度に児童虐待の相談や通告を受けて対応した件数が13万3778件(速報値)に上り、過去最多を更新したことが30日、厚生労働省のまとめで分かった。統計開始から27年連続の増加。配偶者への暴力で子どもがストレスを受ける「面前DV」が心理的虐待として認知され、通報を受けた警察が児相通告を徹底化していることを反映した。16年度に虐待で死亡した子どもが前年度比7人減の77人(心中の28人を含む)、今年6月時点で所在不明の子どもが28人いることも判明した。

 児童虐待を巡っては、3月に東京都目黒区で船戸結愛ちゃん=当時(5)=が両親から虐待されて死亡する事件など深刻なケースも後を絶たず、政府は7月に児相の体制強化など緊急対策を打ち出している。増え続ける虐待情報の中から緊急性が高いケースを特定し、速やかに対応する取り組みは急務で、厚労省の担当者は「市町村も協力して虐待を防ぐ体制をつくりたい」としている。

 厚労省は30日午後、省内で全国の児相所長を集めた会議を開き、結愛ちゃんの事件を受けた緊急対策を説明。児相間の引き継ぎ徹底や警察との情報共有強化を求めた。(共同)