Tuesday, September 11, 2018 10:33 AM

大気汚染による太陽光発電への経済的影響、年数十億ドル

 世界の太陽光発電事業者や投資家が大気汚染によって被っている経済的損失は、年間数十億ドルに上るとの推計を、米国とシンガポールの研究者が発表した。

 グリーン・カー・コングレスによると、エナジー&エンバイロンメンタル・サイエンス誌に掲載された研究論文は、特に微小粒子状物質(PM2.5)による日射量の減少による影響が大きいと指摘した。研究者らは、世界各地の大気汚染による発電量の減り具合を調べており、例えばインドのデリーでは、大気汚染が原因で2016〜17年にシリコン太陽電池が受け取った日射量が年間11.5%(誤差1.5%前後)または1平方メートル当たりの電力量で200キロワット時(kWh)減少したと推定される。

 その他16都市の分析でも、大気汚染によって日射量は2.0%(シンガポール)〜9.1%(北京)減少したと推定された。

 現在の設置目標と各地の電力価格を考慮すると、太陽光発電装置を設置したことによる収入の損失額はデリーだけで年間2000万ドルを超え、世界的な経済損失は数十億ドルに上る可能性がある。