Tuesday, September 11, 2018 10:55 AM

金融危機再来に警鐘 債務増で欧州中銀前総裁

 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ前総裁が、リーマン・ショックから10年を迎えるのを前に、11日までに共同通信の書面インタビューに応じ、世界金融危機が再来する恐れがあると警鐘を鳴らした。国内総生産(GDP)に対する債務残高が世界各国で膨らんでいる状態が修正されなければ「危機状態になる可能性が高い」と強調した。

 トリシェ氏は証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻した当時、欧州の金融政策の責任者だった。巨額の政府債務の削減が進まない日本など各国に、財政・金融政策の点検と見直しを迫ったと言えそうだ。

 トリシェ氏は、高い債務水準が金融危機の主要な原因になるとの見方が定着しているにもかかわらず、危機後も債務が増大し続けている点に「とても不安を感じている」と懸念を表明した。(共同)