Thursday, September 20, 2018 10:27 AM

「反体制記者」消えぬ烙印 イラン、弾圧耐えかね亡命

 厳格なイスラム体制下のイランで、報道姿勢や政治信条が「反体制的」だと断じられたイラン人記者らが苦難の人生を強いられている。当局による弾圧が続き、記事発表の場も奪われる。一度押されてしまえば、消えることのない負の烙印。決死の国外亡命を図っても、未来を見通せない不安定な生活が待ち受ける。

 「できるならば祖国に帰りたい。でも私の目の前にあったすべての道は閉ざされたの」。6月中旬、トルコの最大都市イスタンブール。イランで複数のリベラル紙と契約を結び、人権問題や男女差別をテーマに取材していたソルマズ・エイクデルさん(36)のまなざしが悲哀の色を帯びた。

 きっかけは1988年に起きた政治犯大量処刑を取り上げた特集記事。指導部は事実関係を認めておらず、国内ではタブー視される出来事だ。2008年に執筆後、すぐに拘束され「反体制的な宣伝活動を行った」として有罪判決を受けた。(共同)