Tuesday, October 02, 2018 10:46 AM

拉致、対米協議で試練 外交戦略に狂いも

 安倍晋三首相はトランプ大統領との「個人的な信頼関係」を背景に、北朝鮮による日本人拉致問題などの難題に挑む。ただ米国との新たな通商協議は難航必至で、対日貿易赤字に不満を抱くトランプ氏との関係が悪化すれば、外交戦略に狂いが生じる恐れもある。

 首相は2日の内閣改造で、河野太郎外相、世耕弘成経済産業相、茂木敏充経済再生担当相ら関係閣僚の留任を決めた。北方領土交渉を抱えるロシアや改善傾向にある中国との関係も考慮し、政策の継続性を重視した。

 首相は、近く開かれる可能性がある2回目の米朝首脳会談で、再び拉致問題を提起するようトランプ氏に求める見通しだ。金正恩朝鮮労働党委員長は「適切な時期」に日本と対話する用意があるとの意向を示しているとされ、首相が目指す日朝首脳会談につなげられるかどうかの重要局面を迎える。(共同)