Friday, August 26, 2016 10:22 AM

年金運用さらに5兆円損失 4〜6月期、株価下落で

 国民年金や厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は26日、2016年4〜6月期の運用結果が株価急落の影響などを受けて5兆2342億円の赤字だったと発表した。運用利回りはマイナス3・88%だった。3カ月間で、7月29日に発表した15年度通期の5兆3098億円に迫る赤字を出した。

 四半期では16年1〜3月期も4兆7990億円の損失を出しており、2期連続の赤字。GPIFは14年10月に運用資産の構成を見直して株式の割合を倍増させており、株価変動の影響を受けやすくなっている。それ以降の通算でも、1兆962億円のマイナスと初めて赤字に転落した。

 国内株価は6月下旬に英国の欧州連合(EU)離脱問題を受けて急落したが、7月以降は上昇に転じた。EU離脱問題以前の水準をほぼ回復し、年金運用にはプラスとなっている。一方で円高基調が続いているため、外国資産では今後も損失が膨らむ恐れがある。(共同)