Tuesday, October 16, 2018 11:07 AM

津波対策先送りを否定 原発公判、東電元副社長

 福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣3人の第30回公判が16日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。武藤栄元副社長(68)が被告人質問で、事故前に大津波の試算結果の報告を受けた後、専門家にさらに研究を依頼したことについて「時間を稼ぐ意図は全くなく、対策の先送りと言われるのは心外だ」と述べた。

 「試算結果は唐突で、根拠には信頼性がなかった」とも供述。冒頭では「亡くなられた方と遺族、ふるさとをなくした方に深くおわび申し上げる」と謝罪した。公判は昨年6月に始まり、被告人質問は初めて。

 争点は東日本大震災の大津波を予測して、対策を取ることができたかどうかで、武藤元副社長は「予測できなかった」と初公判で無罪を主張していた。(共同)