Friday, November 16, 2018 9:13 AM

中露と戦争、敗北も 米軍優位が低下と報告書

 米議会が設置した超党派の諮問機関「国家防衛戦略委員会」は15日までに、トランプ政権の国家防衛戦略を検証した報告書を公表した。米軍が長く保ってきた軍事的な優位性は「危険なレベルにまで損なわれた」と指摘し、中国やロシアと戦争になれば「苦労して勝つか、負けるかもしれない」と警告した。

 報告書は、地域の覇権を求める中露が「冷戦終結後では最大の規模」で米軍に対抗してきているとの認識を示した。一方で米軍は近年、対テロ戦に集中してきた経緯もあり、ミサイル防衛やサイバー、宇宙戦略などの面で「中露に対する軍事作戦に必要な能力が衰えた」と分析した。

 米軍の優位性を確保するには技術革新を追求する必要があるとも指摘。中国が超高速通信を可能にする第5世代(5G)移動通信システムの分野で世界をリードしようとしている点を挙げ「中国には経済、地政学、軍事の面で大きな利益を生み出し、米国には同じくらい大きな危険をもたらす」と警戒感を示した。(共同)