Tuesday, November 20, 2018 9:41 AM

揺さぶり虐待、無罪相次ぐ 欧米で訴追に慎重な動き

 乳幼児を揺さぶって頭に傷害を与えたとして虐待を疑われ、傷害や傷害致死の罪で起訴された親の無罪判決が相次いでいる。欧米を中心に訴追に慎重な動きが出ているとして「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)はそもそも一部の医師の理論に依拠したもの」と警鐘を鳴らす識者もいる。

 SBSによる児童虐待の冤罪防止を訴えるSBS検証プロジェクト共同代表秋田真志弁護士によると、SBSは「外傷がなく、硬膜下血腫や網膜出血がある場合は揺さぶり行為によるものと考えられる」との医師の提唱をきっかけに、1970年代以降、米国で広く知られるようになった。

 しかし2000年以降、複数の医師が医学的根拠を疑問視。今年10月にはフロリダ州の裁判所が、十分な科学的根拠が認められないとして「SBS」の用語を専門家証人が陪審で使うことを制限すると決定した。(共同)