Tuesday, November 20, 2018 9:42 AM

河野氏「東京宣言」触れず ロシアとの領土交渉巡り

 河野太郎外相は20日の参院外交防衛委員会で、今後の北方領土交渉に関し、日露両政府が1993年に出した「東京宣言」を踏まえるかどうか明言を避けた。東京宣言は択捉、国後両島を含む北方四島の帰属問題を解決するとした合意文書。返還に難色を示すロシアに押し込まれ、後退した印象は否めない。

 委員会後の記者会見で河野氏は、交渉加速を確認した11月14日の日ロ首脳会談後の政府方針について「申し上げるわけにはいかない。差し控える」と強調。4島の帰属を確認して平和条約を結ぶとした基本的立場を維持しているかを問う質問にも応じなかった。

 沈黙する背景には、踏み込んだ説明をすればロシアのプーチン大統領を刺激し、交渉に臨む安倍晋三首相の足を引っ張りかねないとの判断があるとみられる。(共同)