Monday, November 26, 2018 9:28 AM

北朝鮮、人権非難に反発 国際団体が性暴力報告書

 北朝鮮で当局者による女性への性暴力が日常化しているとの国際人権団体による報告書や、国連の北朝鮮人権非難決議案を巡り、北朝鮮が米国による敵視政策の一環だとして反発している。米国が核問題に加え、人権問題で圧力を強めることをけん制する狙いがありそうだ。

 報告書は「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」が北朝鮮脱出住民(脱北者)の女性54人からの聞き取り調査に基づき、10月末に発表した。中国に脱出しようとして捕まったり連れ戻されたりした女性らが収容所の看守らから性的暴行を受ける実態や、市場などで行商を営む女性らが警官らから性的関係を強要されていると告発する内容だ。

 これに対し、北朝鮮は今月4日「朝鮮人権研究協会」報道官談話で「朝鮮半島の平和と安定を望まない敵対勢力の政治的な謀略策動」だと非難。朝鮮労働党機関紙、労働新聞も26日付論評で報告書のような事実はないと否定し「人民重視、人民尊重、人民愛を根幹とするわが国の制度において『人権問題』など生じ得ない」と主張した。(共同)