Wednesday, November 28, 2018 10:13 AM

22医学部で2割超の欠員 地域枠、半数で未充足

 地方での医師不足解消に向け、都道府県から奨学金の貸与を受ける代わりに、卒業後、その地域で一定期間働く大学医学部の「地域枠制度」に関し、厚生労働省は28日、2018年度分を調べた結果、全国の22大学が設けた募集枠で定員の2割を超える欠員が出ていたことを明らかにした。地域枠がある66大学のうち、半数の33大学で計187人分の枠が埋まっていなかった。

 地方勤務を希望する学生が少ないことなどが原因。地方と都市部の医師偏在を解消するための措置が問題解決に結び付いていない現状が明らかになった。

 制度が導入された08年度から18年度の通算では、学生を勤務地の制限のない「一般枠」に振り分ける不適切な運用もみられた。医学部定員は地域枠に限り、臨時の定員増が認められており、厚労省と文部科学省は制度の趣旨に反するとして、改善とともに制度の厳粛な運用を求めている。(共同)