Tuesday, August 30, 2016 5:51 PM

三菱自の燃費不正再燃 エコカー減税の土台揺らぐ

 三菱自動車の燃費不正問題が再燃した。販売中の車種のデータ測定で新たな問題行為が発覚し、信頼回復は一段と遠のいた。問題の長期化により、燃費性能の正確さが前提となるエコカー減税制度の土台が揺らぐ恐れもある。メーカーへの不信感を強める総務省や財務省は減税対象を絞り込む構えだが、業界の巻き返しは必至で、来年度の税制改正論議で攻防が激化しそうだ。

 「広い意味でのコンプライアンス(法令順守)意識が希薄だった」。三菱自の益子修会長兼社長は30日夕、東京都内の本社で開いた記者会見で深々と頭を下げた。今月2日、燃費不正の報告書を国に提出した際には問題が一段落したとの認識を示したが、1カ月足らずで再び謝罪会見に追い込まれた。社内の測定で都合の良い値を抜き出していたことに関し、益子氏は「法令ぎりぎりの取り扱いは即刻やめる」と硬い表情で言明した。

 「自動車メーカーとしての実力を疑わざるを得ない。どうしたら是正できるのか分からない」。独自にデータを測定した国土交通省の担当者もあきれ顔だ。三菱自系の販売会社幹部は「(軽自動車の販売を再開した)7月は前年並みに売れたが8月は厳しくなっていて、さらに減るかもしれない」と表情を曇らせた。(共同)