Wednesday, August 31, 2016 10:43 AM

財源不在の要求101兆円 17年度予算、防衛費最大

 財務省は31日、2017年度予算の概算要求を締め切った。社会保障費が増えるほか防衛費が過去最大となり、一般会計の要求総額は財源の裏付けを欠いたまま101兆円台に膨らんだ。要求額が100兆円を超えるのは3年連続。財政再建計画の達成を目指し、4兆円程度の圧縮を目安とした政府内の攻防が年末に向けスタートする。

 17年4月に予定した消費税率10%への増税を2年半延期することで想定した財源に穴があき、政府は厳しい財政運営を迫られる。17年度の税制改正要望も同時に締め切り、配偶者控除の見直しを柱とした税制議論を9月から本格化させる。

 査定を経て決まった16年度当初予算の総額は96兆7218億円だった。17年度の概算要求額は財務省が集計して9月上旬に公表する。低金利下で国債の利払いが少なくて済む影響で、過去最大となった16年度の要求額(102兆4099億円)に比べると1兆円程度減るものの、国債の元利払いを除いた政策経費は77兆円前後に達し、16年度(76兆3556億円)を上回る見通しだ。(共同)