Thursday, September 01, 2016 10:06 AM

経済低迷、問われる手腕 新大統領、指導力に不安も

 ブラジルのルセフ前大統領が弾劾裁判で罷免されたことに伴い、8月31日に就任したテメル新大統領は、世界恐慌以来の危機的状況といわれる同国経済の再生に向けた手腕が問われている。しかし国民の支持は盤石とはいえず、指導力に不安も残る。

 ブラジルの国内総生産(GDP)は昨年、前年比3.8%減と6年ぶりのマイナス成長に落ち込んだ。今年もマイナス圏が確実で、地元メディアによると、2年連続マイナス成長となれば世界恐慌後の1930年代以来。今年前半だけで約53万人分の雇用が失われた。

 一方、昨年12月にルセフ前大統領の弾劾手続きが始まると、市場経済を重視するテメル氏への期待を背景に通貨レアルが対ドルで上昇。株価指数も8月末時点で年初と比べ30%以上の高値をつけた。テメル暫定政権は経済に「回復の兆し」があるとして、来年の成長率見通しも1.2%から1.6%に上方修正した。(共同)