Thursday, September 01, 2016 10:08 AM

避難準備情報、意味知らず 水害想定の訓練未実施

 台風10号の豪雨で9人が死亡した岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽ん楽ん」の運営者が、移動に時間がかかる高齢者らの避難開始を求める避難準備情報の意味を知らなかったことが1日、分かった。台風が東北に上陸する約9時間前から、同情報は町内全域に発令されていた。水害を想定した避難訓練も実施しておらず、災害に対する危機意識の薄さが被害拡大を招いた可能性がある。

 ホームの運営法人の佐藤弘明常務理事が同日、取材に「避難準備情報がそういうものと把握していなかった」と述べた。

 岩泉町は台風10号の接近が見込まれた8月30日午前9時、全域に避難準備情報を発令した。国の指針は発令段階で、自力で避難するのが難しい高齢者や障害者らは避難を開始し、そのほかの人も準備を始めるよう求めている。(共同)