Wednesday, February 20, 2019 9:18 AM

三菱電機、HV用の世界最小パワーユニット開発

 三菱電機は、2モーター式ハイブリッド車(HV)向けに2つのインバーターと1つのコンバーターを備えた新しい超小型のパワーユニットを開発した。

 同社のプレスリリースによると、このパワーユニットは体積が2.7リットル、電力密度は150kVA/L。同社はまた、世界最高クラスの23kW/Lという出力密度を達成した電気モーターも開発した。

 新しいパワーユニットとモーターは、燃費を改善しつつ設置する際の柔軟性を高め、車内に広いスペースを提供する。パワーユニットの体積は、2モーター式ハイブリッド車向けとしては世界最小だという。パワーモジュール、リアクター、コンデンサーという3つの主要部品で構成されており、制御回路基板を含むパワーモジュールの体積は、回路構造の改善と絶縁被覆を施した制御回路基板の高密度化により、同社の既存パワーユニットの3分の1に縮小した。

 リアクターとコンデンサー(受動部品)の合計体積は、高周波数でのスイッチング・ロスが少ないSiCパワーディバイスでコンバーターを動かすことにより半分に縮小されている。またこのパワーユニットは、発生する熱を冷却システムに効率的に伝達できる優れた放熱構造になっている。

 新しいモーターは、非対称回転子(ローター)構造と集中巻きが特徴で、これで高い出力密度を提供できる。非対称回転子は、前進方向への回転トルクを優先的に高め、集中巻きモーターは分布巻きモーターよりも出力密度が弱いが、鉄心に磁気スリットを設置することでこれを改善している。

 さらに、効率の高い油冷構造によって、従来は高温に適さなかった磁力性能の高い磁石の使用も可能となっている。

http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2019/0213-d.html