Wednesday, February 20, 2019 9:18 AM

食品ごみから天然ガス生成〜ユタ州初の嫌気性消化装置

 固体の食品ごみや液体の有機廃棄物から商業用の天然ガスをつくる嫌気性消化装置がユタ州で設置され、それに向けた廃棄物回収が始まった。

 エナジー・マネジャー・トゥデイによると、4300万ドルで建設された同施設は、その種の装置の設置としてはユタ州で初めてで、ワサッチ・リソース・リカバリー(Wasatch Resource Recovery=WRR)とという官民強力事業体が運営する。

 同施設は、当面の間、約700トンの廃棄物を受け入れ、将来的には回収量を1400トンに増やす計画。第1期では2基の嫌気性消化装置が建設された。容量はそれぞれ250万ガロンで、満杯になった時点で装置が増設され、最終的に4基になる。

 有機廃棄物を排出する事業体であればどこでも資源提供に参加できる。WRRは、レストランや食料品店、ホテル、醸造所、食品加工工場、病院、学校からの食品ごみのほか、アルミ缶やガラス瓶、樹脂ボトル入りの飲料を扱う業者からの廃棄物を受けつける。

 参加する事業体は「食品ごみをほかのごみと分別して地域内の回収容器に出すだけでよい。ほかの都市ごみと同じように回収されて、施設に持ち込まれる」とWRRは説明している。

 嫌気性消化装置は、バイオガスを回収して浄化したうえでバイオメタンに変換する。バイオメタンはガス・パイプラインに注入され、再生可能エネルギーとして販売される。この処理工程で発生する副産物は、肥料として作物の栽培に使える。

 2月11日以降に初のごみ回収が実行され施設に持ち込まれた後、嫌気性消化装置が試験運用される。