Thursday, February 28, 2019 8:57 AM

監察委員長、正当性強調 隠蔽否定の統計不正報告

 厚生労働省の毎月勤労統計不正を再調査した特別監察委員会の樋口美雄委員長(労働政策研究・研修機構理事長)は28日の衆院予算委員会の集中審議で、組織的隠蔽を再び認定しなかった追加報告書の正当性を強調した。安倍晋三首相は「厚労省は真摯に反省する必要がある」と指摘。追加報告書が公表されてから初の国会論戦で、野党は「非常に甘い内容だ。統計不信を払拭できない」と批判した。

 樋口氏は「隠蔽とは、法律違反や極めて不適切な行為を対象に、事実を認識しながら意図的に隠そうとする行為と考えた。これに従って検討した」と説明。「組織的隠蔽がなかったと言っているのではなく、あったと言うことはできない」とも述べ、理解を求めた。

 追加報告書に関し首相は「厳しい批判もあるが、監察委が中立的、客観的な立場から検証作業を行った結果だ」と述べた。国民民主党の原口一博氏は虚偽説明を認定したことを踏まえ「うそはついたけど、隠蔽はしていないというのは絶対におかしい」と指摘。樋口氏は「担当者や担当課は、許容の範囲内であり深刻な不正と捉えていなかった」と説明した。(共同)