Friday, March 22, 2019 10:19 AM

障害児施設側に賠償命令 健常者と同基準で算定

 2015年に東京都八王子市の障害児施設から行方不明となり、遺体で見つかった松沢和真さん=当時(15)=の両親が、安全管理を怠ったとして施設を運営する社会福祉法人藤倉学園(東京)に約1億1400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は22日、松沢さんが将来得られたはずの「逸失利益」を健常者と同じ基準で算定し、約5200万円の支払いを命じた。

 松沢さんには知的障害があり、施設側は逸失利益をゼロと主張した。これに対し、田中秀幸裁判長は「特定の分野では健常者と同等か、それ以上の能力を発揮する可能性があった」と判断。障害があることを前提とした賃金でなく、19歳までの男女全体の平均賃金を基に計算した。

 両親側代理人の坂本千花弁護士は判決後に都内で記者会見し「過去に例がなく、画期的な判断だ」と評価。同席した父親の正美さん(62)は「良い裁判例になってほしい」と話した。(共同)