Friday, March 29, 2019 10:45 AM

税収下振れ5.4兆円 20年度財政赤字拡大の主因

 国と地方自治体の財政悪化要因を調べた内閣府の分析結果が29日、判明した。健全性を表す「基礎的財政収支」の2020年度の赤字は今年1月の最新試算で10兆1000億円に上り、15年7月時点の試算と比べ6割拡大。この見込み違いは、高い経済成長率の想定が外れたことによる約5兆4000億円の税収下振れが最大の要因だと分かった。

 「アベノミクス」に期待した楽観的な景気予測は実を結ばず、安倍政権は20年度に収支を黒字化する目標を断念し、25年度に先送りした。甘い試算に基づく健全化計画の実現はこの先も危うく、統一地方選や参院選の争点となる可能性もある。

 15年7月は政府が20年度の黒字化目標を改めて決めた直後で、当時の試算は20年度の名目成長率を3.6%と仮定、基礎的収支の赤字は6兆2000億円と見込んでいた。(共同)