Thursday, September 08, 2016 11:55 AM

H-1Bビザ申請の厳格化法案、下院に提出

 特殊技能者向けの短期就労ビザ(査証)「H-1B」の申請条件を厳格化する法案が、下院に提出された。

 ロサンゼルス・タイムズによると、ダレル・アイサ下院議員(共和、カリフォルニア)による法案の提出は、2015年に南カリフォルニア・エジソン(SCE)が約400人を解雇し、コンサルティング会社を通じて大量に新規採用を行った一件がきっかけとなった。コンサルティング会社はH-1Bを多用し、国民よりも安い給与で外国人の特殊技能者を獲得していた。

 アイサ議員は当時、「どうしても見つからない人材を補うH-1Bの趣旨に合わないことは明白」と憤りを表明した。エジソンはこれに対し、「穴埋めが目的でH-1B従業員を採用するわけではなく、彼らの給与は米国人従業員と同水準」と説明した。

 従業員51人以上でH-1B保持者を15%以上雇用する企業は、米国人に求人広告を出したが集まらなかったために外国人の採用を検討したという証明書類を、ビザ申請書類に添付しなければならない。しかし現行の規定では、申請者が大学院卒業(修士号取得者)か給与が年6万ドルを超える場合は書類添付が免除される。法案はこの除外規定を撤廃し、年間給与の下限を10万ドルに引き上げる内容。

 H-1Bビザは、修士申請者(2万人)を含め年間8万5000人を上限に発給され、申請者が発給枠を超えると抽選が行われる。雇用者によるビザ申請データを集計する民間ウェイサイトMyvisajobs.comによると、15年にH-1Bを発給されたロサンゼルス市の外国人労働者は4886人で、平均給与は7万9278ドルだった。