Friday, September 09, 2016 9:54 AM

パイロット不足で経営難 LCC、人材流出深刻

 パイロット不足による航空便の欠航が世界で相次ぎ、米国の中堅航空会社が経営破綻するなど影響が深刻化している。賃金など待遇が良い航空大手に人材が流れ、格安航空会社(LCC)や中堅企業は対策に頭を抱えている。LCCなどの航空路線が急拡大するのにパイロットの採用、訓練が追いついていない現状が背景にある。

 ボーイングは2035年までの20年間に民間機パイロットが世界で61万7千人必要になると推計、1年前の予想値から1割余り上方修正した。業界ではパイロットの争奪戦が激化するとみられている。日本では大量退職を迎える30年ごろに人材が不足する「2030年問題」が懸念されている。

 「主要航空会社へ移るパイロットが後を絶たず、代わりの人材を採用するのは大変だ」。米中堅リパブリック・エアウェイズ・ホールディングスのブライアン・ベッドフォード最高経営責任者(CEO)は打ち明けた。(共同)