Friday, September 09, 2016 1:14 PM

物価上昇の根拠、もっと見たい タルーロFRB理事

 米連邦準備制度理事会(FRB)のタルーロ理事は9日、CNBCテレビの番組で、雇用改善を背景に物価が持続的に目標の2%へと上昇していくことを示す「はっきりした根拠をもっと見たい」と述べ、9月20、21両日の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げに慎重な姿勢を示唆した。

 理事は年内の利上げ可能性は排除しないとも述べた。全ての会合で利上げの可能性があることが重要だとしたが、特定の利上げ時期には言及しないと述べた。

 理事自身は「はっきりした物価上昇を望んでいる」が、そうでない人も「経済全体の勢いを見たいはずだ」と指摘。個別の経済指標ではなく、経済の全体像から浮かび上がる今後数四半期の見通しが重要だとした。個人消費が極めて良好で、企業投資にもわずかな増加の兆しがみえるとする一方で、失業率の改善は足踏みを続けているほか、米国の雇用を支えてきた非製造業の景況指数が8月に市場予想を大きく下回るなど不安な面もあると指摘。9月のFOMCでは「大いに議論になる」余地があると述べた。(共同)